06-6352-0087
ひろつぐ出生前診断クリニック

MOSAICISM

モザイク型染色体異常とは — NIPTで検出しにくい理由

出生前診断の基礎

出生前検査の説明のなかで、「モザイク(型)」という言葉を耳にすることがあります。少し分かりにくい言葉ですが、NIPTの結果の解釈に関わる大切な考え方です。このコラムでは、モザイク型染色体異常とは何か、そしてなぜNIPTで検出しにくいのかを整理します。

へその緒でつながる胎児と胎盤を描き、胎盤の一部だけ細胞の色が異なる(モザイク)様子を、医師が虫めがねで見つめているイラスト。

モザイク型とは

私たちの体は、たくさんの細胞からできています。モザイク型染色体異常とは、その細胞の中に、

  • 染色体が正常な細胞
  • 染色体に異常のある細胞

混じって存在している状態をいいます。すべての細胞に異常がある場合と違い、「一部の細胞だけ」という点が特徴です。

なぜモザイクが起こるのか

多くのモザイクは、受精したあとの細胞分裂の過程で、染色体の分配にエラーが起こることで生じます。どの段階でエラーが起こったか、どの細胞に広がったかによって、異常な細胞の割合や、体のどこに分布するかが変わります。

この「割合」や「分布」の幅の広さが、モザイクの解釈を難しくする理由でもあります。

NIPTで検出しにくい理由

NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液中に流れている赤ちゃん由来(正確には主に胎盤由来)のDNAを調べる検査です。ここにモザイクの難しさが関わってきます。

  1. NIPTが見ているのは主に「胎盤」のDNA 赤ちゃん本体と胎盤で染色体の状態が異なることがあります(胎盤だけに異常がある状態を「胎盤限局性モザイク」といいます)。この場合、NIPTの結果が赤ちゃんの実際の状態とずれることがあり、偽陽性や偽陰性の一因になります。

  2. 異常な細胞の割合が低いと、埋もれてしまう モザイクでは異常な細胞の割合が低いことがあり、その場合、血液中のわずかな信号として検出が難しくなります。

このため、モザイクはNIPTがもっとも苦手とするタイプのひとつとされています。NIPTはあくまでスクリーニング(非確定的検査)であり、モザイクをすべて拾えるわけではありません。

確定検査での確認

モザイクが疑われる場合や、はっきりさせたい場合には、確定検査での評価が大切になります。

  • 羊水検査:羊水中の赤ちゃん由来の細胞を調べるため、赤ちゃん本体の状態をより反映しやすいとされます。
  • 絨毛検査:胎盤の組織を調べるため、胎盤限局性モザイクの影響を受けることがあります。

どの検査が適しているか、また結果をどう解釈するかは、状況によって異なります。モザイクの評価では、検査の選択そのものが専門的な判断になります。

結果だけで判断せず、専門職と一緒に

モザイクは、「異常な細胞がどれくらい・どこにあるか」によって、意味が大きく変わります。臨床的にほとんど問題にならないこともあれば、専門的な評価が必要なこともあります。

だからこそ、モザイクが関わる結果は、数字や用語だけで判断せず、遺伝カウンセリングで専門職と一緒に整理することがとても大切です(遺伝カウンセリングでわかること)。当院でも、必要に応じて専門施設と連携して対応します。

まとめ

  • モザイク型とは、正常な細胞と異常な細胞が混じっている状態です。
  • NIPTは主に胎盤のDNAを見るため、胎盤と赤ちゃんで状態が違うと結果がずれることがあります。
  • 異常な細胞の割合が低いと、検出や判定が難しくなります。
  • モザイクが疑われるときは、羊水検査や遺伝カウンセリングでの専門的な評価が大切です。

NIPTの限界についてはNIPTの陽性的中率が年齢で変わる理由、確定検査については羊水検査・絨毛検査とはもあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Grati FR, Malvestiti F, Ferreira JCPB, et al. Fetoplacental Mosaicism: Potential Implications for False-Positive and False-Negative Noninvasive Prenatal Screening Results. Genetics in Medicine. 2014;16(8):620-624.
  2. Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al. Noninvasive Prenatal Screening (NIPS) for Fetal Chromosome Abnormalities in a General-Risk Population: An Evidence-Based Clinical Guideline of the ACMG. Genetics in Medicine. 2023.
  3. Malvestiti F, Agrati C, Grimi B, et al. Interpreting Mosaicism in Chorionic Villi: Results of a Monocentric Series of 1001 Mosaics in Chorionic Villi with Follow-up Amniocentesis. Prenatal Diagnosis. 2015;35(11):1117-1127.

本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。

この記事に関連する検査

検査メニュー(何から考える?)

検査はすべて大阪・南森町の当院(南森町駅すぐ)での対面診療です。結果のご説明はオンラインにも対応しています。

ご予約・ご相談はこちら

この記事の内容について、ご来院前にLINE・お電話でお気軽にご相談いただけます。

前の記事
「前の子は元気だったのに」 — 染色体異常が繰り返すケースとそうでないケース
次の記事
2人目・3人目の妊娠と出生前診断 — 上の子が元気でも受ける意味はあるか

最終更新日:2026年7月7日

RESERVATION

ご予約・お問い合わせ

まずはLINEまたはWEBから簡単にご予約いただけます。
不安なことや疑問は、ご来院前にお気軽にご相談ください。

LINE予約 WEB予約 WEB問診