SHOKI DOCK
初期ドック
First Trimester Screening / 妊娠12週0日 〜 13週6日
初期ドックとは
① 赤ちゃんの体の構造異常を確認する
心臓・脳・腹部・四肢など体の構造を系統的に観察し、エコーで判明する疾患全体の半数以上が妊娠初期のうちから検出可能です。初期に判明する疾患の7割が重篤なものです。
② NTなどの観察で、NIPTでは評価できない幅広い染色体異常リスクを評価する
NT(首のむくみ)肥厚は微細染色体変異・単一遺伝子疾患・心疾患などの早期サインとなります。NIPTの対象外であり、超音波による評価が不可欠です。
(副次的な目的)NIPTを受けないお母さんへのダウン症等の確率計算
NIPTを受けない場合、NT・鼻骨・静脈管・三尖弁血流の4項目とお母さんの年齢を組み合わせてダウン症・18・13トリソミーの発症確率計算が可能です(NIPTより精度は低め)。確率計算には12週0日〜13週6日の受診が必要です。
初期ドック 受診可能期間カレンダー
※表示される日程はあくまで目安です。正確な受診可能時期は診察時に最終確認となります。
※受診可能期間:妊娠12週0日 〜 妊娠13週6日
当クリニックの初期ドックの特長
構造異常の早期発見
初期ドックの主目的は構造異常の評価です。心臓・脳・腹部・四肢など体の構造を系統的に観察し、エコーで判明する疾患全体の半数以上を妊娠初期のうちから検出できます。
NT評価でNIPTでは見えない染色体異常も確認
NT(首のむくみ)をはじめとする4項目の観察は、NIPTの対象外である幅広い染色体異常(微細染色体変異・単一遺伝子疾患を含む)の早期サイン検出に役立ちます。NIPTと組み合わせることで最大の情報量が得られます。
NT specialistによる高精度計測
担当医は日本で32名(2023年3月現在)のNT specialist認定を受けており、確率計算に必要な英国FMFライセンス4項目を保有しています。
GEヘルスケア高性能機種の超音波装置を使用
GEヘルスケアの最新高性能機種「Voluson Expert 22」を採用。わずか8cm未満の赤ちゃんの構造観察を高精度で実現します。
NIPTと初期ドックの違い
2つの検査の最も大きな違いは、ダウン症など3疾患(21・18・13トリソミー)の検出精度です。この3疾患に関しては、NIPTが圧倒的に優れています。
一方で、初期ドックは「廉価版NIPT」ではありません。初期ドックの主目的は、構造異常の評価と、NIPTでは調べられない幅広い染色体異常の確認です。2つは優劣ではなく、得意分野が異なる検査といえます。なお、NIPTを受けない場合には初期ドックでダウン症等の確率計算も行えますが、それは副次的な役割です。
- 方法:血液検査(母体血中の胎児DNA解析)
- 時期:妊娠10週以降
- 結果:陽性/陰性/判定保留
- 判定:採血後1〜2週間
- 対象:3疾患のみ(21・18・13トリソミー)
- ダウン症検出率:99%以上
- 形態チェック:× できない
- 特長:3疾患に特化した極めて高精度なスクリーニング。ただし構造異常・その他の疾患は確認できない
- 方法:エコー検査
- 時期:妊娠12週0日〜13週6日
- 結果:確率(例:1/3000)
- 判定:エコー所見は即日
- 対象:染色体疾患全般+形態異常
- ダウン症検出率:90〜98%(追加する血液検査による)
- 形態チェック:◎ できる
- 特長:構造異常も同時評価。NIPTではカバーできない範囲を補完。費用を抑えながら幅広い情報が得られる
2つの受け方
ダウン症(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーの3疾患は、その他の疾患や構造異常とは分けて評価します。この3疾患はNIPTと初期ドックのどちらでも調べられますが、精度には差があり、3疾患についてはNIPTが圧倒的に優れています。初期ドック(超音波)でも、ある程度のリスクを調べることは可能です。
そこで当クリニックでは、費用をできるだけ抑えつつ、精度をなるべく落とさないための「2段階スクリーニング」もご用意しています。まず初期ドックで3疾患のリスクを調べ、確率が高い場合にのみNIPTを追加する方法です。
ただし、最初からNIPTを併用する場合に比べると、検出率は下がり、偽陽性(実際には異常がないのに高リスクと出ること)も増えます。どちらの受け方が合っているかは、カウンセリングで一緒に考えます。
この表で扱う3疾患(NIPTが高精度に調べる領域)は、赤ちゃんに起こりうる病気の約11%にあたります。残り約85%を占める構造の異常は、初期ドック(超音波)で確認します。
出典:Wellesley D, et al. 2012 / Feldkamp ML, et al. 2017
| プラン | 受け方 | ダウン症検出率(目安) | 染色体検査の条件 |
|---|---|---|---|
| 2段階スクリーニング (初期ドック→必要時にNIPT) | まず初期ドックで3疾患のリスクを調べ、確率結果に応じてNIPTの追加を検討する | ダウン症の確率が1/50以上、NT 3.5mm以上、または構造異常がある場合 | |
| NIPT+初期ドック 併用プラン | 最初からNIPTと初期ドックを同時に受ける | NIPT陽性、またはNT 3.5mm以上、または構造異常 |
※検出率はあくまで目安です。実際の値は個人の状況・週数・計測条件により異なります。2段階スクリーニングは、最初からNIPTを併用する場合に比べ、検出率が下がるだけでなく偽陽性率も高くなります。
染色体リスク評価の4つのチェックポイント
これら4つのチェックポイントは、英国FMF(胎児医学財団)が定める国際認定ライセンスに基づく評価項目です。担当医は4項目すべてのFMFライセンスを保有しています。
NT(項部浮腫)
後頚部にある黒い帯状部分(皮下の液体層)の厚さを計測します。NTはどの赤ちゃんにも見られる首の後ろの部分で、厚い=必ず異常というわけではありません。一方で、NTが厚いお子様に染色体疾患が多いことも知られています。NT 3.5mm以上では染色体疾患のリスクが21%以上に上昇します。また、染色体以外の病気(心疾患など)の早期サインとしても重要です。
参考:Souka AP, Am J Obstet Gynecol 2005
鼻骨
鼻骨がしっかり見えるかどうかを観察します。鼻骨が見えないお子様にダウン症が60%、18トリソミーが53%の頻度で見られます。NT計測と組み合わせることでダウン症の検出率が大きく向上します。
参考:Nicolaides KH, Prenat Diagn 2011
静脈管血流
お腹の静脈管という血管の血流波形を観察します。逆流が見られるお子様にダウン症66%、18トリソミー58%の頻度で染色体疾患が見られます。専門的な技術が必要な評価項目のひとつです。
参考:Nicolaides KH, Prenat Diagn 2011
三尖弁血流
心臓内の三尖弁を通過する血流を観察します。逆流が見られるお子様にダウン症55%の頻度で染色体疾患が見られます。初期から心臓の評価を行うことで、重篤な心疾患の早期発見にもつながります。
参考:Nicolaides KH, Prenat Diagn 2011
初期ドックは構造の異常をどこまで見つけられるか
初期ドックの最大の目的は、赤ちゃんの体の構造(形)の異常を調べることです。NIPTが高精度で調べる3疾患は、赤ちゃんに起こりうる病気の約11%にすぎません。心臓・脳・腹部・四肢などの構造の異常まで含めると、超音波で確認の対象となる範囲は約89%に及びます。
外側の帯(エコーでカバーできる可能性がある範囲)は、構造の問題85%+形に異常を伴う染色体異常4%=約89%。中心のNIPTの11%と合わせると、2つでほぼ全体を見ていることになります。
心臓の評価は、染色体スクリーニングにも役立ちます
初期ドックでは、心臓の構造もていねいに観察します。心臓を評価する意義は、形の異常を見つけることだけにとどまりません。先天性心疾患は、NIPTでは対象とならない幅広い染色体異常(微細な染色体の変化・単一遺伝子疾患など)を伴うことがあるため、心臓の所見は、NT(首のむくみ)と同じように染色体スクリーニングの手がかりのひとつになります。当クリニックでは、NTとあわせて心臓の評価も、NIPTの対象外となる染色体異常に気づくための手がかりとして用いています。
心臓は小さく構造も複雑なため、妊娠初期の評価には十分な技術と機器が必要です。当クリニックでは、超音波装置(Voluson Expert 22)と、低流速の血流を描出する技術(SlowflowHD)を用いて、妊娠12〜13週の段階から心臓の大血管(流出路)の観察に取り組んでいます。この取り組みは、1,080例の検討として国際学術誌に報告されています(PubMed)。
※検出率は、赤ちゃんの向き・妊娠週数・母体の状態、検者の専門性と機器の性能によって変わります。上記の高い数値は専門施設での報告であり、すべての方で同じ結果になるとは限りません。
出典:Buijtendijk MFJ, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2024 / Pruthi V, et al. Prenat Diagn. 2023 / Wellesley D, et al. 2012 / Feldkamp ML, et al. 2017 / Hui L, et al. 2023
主な構造確認項目
| 部位 | 確認項目 |
|---|---|
| 頭部 | 頭蓋骨・側脳室・後頭蓋窩 |
| 顔面 | 眼球・鼻骨・耳・顎 |
| 脊椎 | 椎骨 |
| 四肢 | 両前腕骨・両下腿骨・手指数 |
| 胸部 | 横隔膜・肺 |
| 心臓 | 四腔・三血管気管断面 |
| 腹部 | 内臓配列・胃・肝臓・腸・腎・膀胱・臍帯刺入部・臍帯動脈数 |
エコーで判明する疾患全体の半数以上が初期のうちから検出可能。初期に判明する疾患の7割が重篤なものです。
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妊娠初期から始める
胎児心臓スクリーニング
当クリニックでは初期ドックの際に、SlowflowHD(低流速高感度ドプラ)という最新の超音波技術を用いて、妊娠12〜13週の段階から胎児の心臓血管構造を詳細に評価しています。
従来の超音波では妊娠初期の心臓評価は難しいとされていましたが、GEヘルスケア高性能機種「Voluson Expert 22」とSlowflowHDの組み合わせにより、大血管の走行や中隔大動脈の連続性をより鮮明に描出することが可能になりました。
これにより、ファロー四徴症・大血管転位症・両大血管右室起始症などの円錐動脈幹異常を妊娠初期の段階で疑うことができ、早期の対応・準備につなげることができます。
院長・福田裕償は、当クリニックでの1,080例を対象としたこの取り組みを国際学術誌に発表しています。
Fukuda H, et al. "First-Trimester Detection of Conotruncal Anomalies Using Transabdominal SlowflowHD." J Ultrasound Med. 2026;45(1):201-207.
DOI: 10.1002/jum.70037
妊娠初期の胎児心臓 — SlowflowHDによる血流描出
妊娠12〜13週の段階で、赤ちゃんの心臓の血流をカラーで描出しています。
この時期に心臓の構造を詳しく確認できるのは、専門機器と高度な技術があってこそです。
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よくあるご質問
Q いつ頃受けるのがベストですか?
妊娠12週後半以降がお勧めです。赤ちゃんの疾患検出率は週数が進むほど上がり、特に11週と12週では検出率に大きな差があります。確率計算は13週6日までに限られますのでご注意ください。
Q こんな小さい赤ちゃんの病気がわかるのですか?
わずか7〜8cmの赤ちゃんでも、高いエコー技術と高性能な超音波装置を使用することで、決められた断面から系統的に観察し、エコーで判明する疾患全体の半数以上を初期のうちに検出できます。初期に判明する疾患の7割が重篤なものです。
Q 確率が高い場合はどうすればいいですか?
当クリニックでは、まず初期ドックで3疾患のリスクを調べ、必要に応じてNIPTを追加する「2段階スクリーニング」と、最初からNIPTを併用する方法の2つをご提案しています。確率が高い場合はNIPTや羊水検査をご案内します。詳しくは受診時にご説明します。
Q NIPTとどちらを選べばいいですか?
ダウン症など3疾患はNIPTの精度が圧倒的に高く、初期ドックは構造異常も同時に評価できます。両方を組み合わせるのが最も情報量が多く安心です。費用を抑えたい場合は、まず初期ドックで3疾患のリスクを調べ、必要に応じてNIPTを追加する「2段階スクリーニング(検出率90〜95%)」から始める選択肢もあります(最初からNIPTを併用する場合に比べ、検出率が下がり偽陽性率も高くなります)。どちらが合っているかはカウンセリングで一緒に考えます。
Q どうやって確率を計算するのですか?
エコーで赤ちゃんのNT(首の後ろのむくみ)・鼻骨・三尖弁逆流・静脈管血流の4項目を観察し、お母さんの年齢と組み合わせてダウン症・18トリソミー・13トリソミーの3疾患についての確率を計算します。「1/3000」のように、何人に1人かという形式で結果が表示されます。
Q 初期ドックとNIPTは同時に受けられますか?
はい、可能です。まず妊娠10週頃にNIPTの採血を行い、妊娠12週以降に初期ドックを受診してNIPTの結果と合わせてご説明するのが一般的な流れです。同日に採血と初期ドックを受けることもできます(セット価格あり)。
Q 初期ドックで「高リスク」と出たら、確定診断はどうすればいいですか?
確定診断には羊水検査(妊娠15週以降)が必要です。ただし、高リスク判定イコール「赤ちゃんに異常がある」ではありません。初期ドックはスクリーニング検査であり、疑陽性の可能性もあります。当クリニックでは結果についての詳しい説明とともに、必要に応じて羊水検査のご案内・ご紹介も行っています。