06-6352-0087
ひろつぐ出生前診断クリニック

HEART DOCK

心臓ドック

Fetal Heart Scan / 妊娠25週 〜 30週

心臓ドックとは

心臓ドック(胎児心臓ドック)は、赤ちゃんのご病気が最も多く、構造も複雑な心臓を、日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医が時間をかけて専門的に評価する検査です。当院では初期ドック(SlowflowHD)や中期ドックの段階から心臓を診ており、心臓ドックはその流れの中で心臓に特化した仕上げの評価を行う位置づけです。

なお、エコーを当てる以上、心臓だけを切り離して診ることはせず、見える範囲で赤ちゃんの全身もあわせて確認します。そのため、十分な検査時間と、心臓がよく見える適切な時期が必要です。

赤ちゃんの心臓病はどのくらい多いのか

1/100
赤ちゃんの心臓病の頻度
(軽症を含む)
1/300
1年以内に手術が必要な
重症心臓病の頻度

赤ちゃんのお体の中でも心臓にはご病気が最も多く見られます。また心臓は他の臓器と違い構造が複雑で、お腹の中の赤ちゃんとなると心臓のサイズ自体も小さいことから、細かいところまで確認するには専門的な技術と時間が必要です。

代表的な先天性心疾患

先天性疾患(生まれつきの病気)の中で、心臓の病気(先天性心疾患)は最も頻度が高い臓器別疾患です。出生児の約1%(100人に1人)に何らかの先天性心疾患があるとされており、重篤なものから比較的軽症なものまで100種類以上の病型があります。緊急度・重症度によって対応が大きく異なります。

疾患名出生後の緊急度出生前診断の意義
心室中隔欠損症(VSD)中〜低
(経過観察できることも)
出産後の方針決定に役立つ
大血管転位症(TGA)非常に高い
(数時間で緊急処置が必要)
出生前診断で緊急対応準備が可能
左心低形成症候群(HLHS)非常に高い分娩施設・手術チームの事前選定が可能
総肺静脈還流異常(TAPVC)非常に高い
(生後数時間以内に手術が必要なことも)
出生前診断で救命率が大きく変わる
ファロー四徴症高い
(生後早期に手術計画が必要)
出生施設の選択に重要
先天性心疾患の約50〜60%は、出生後しばらくは症状が出ないか軽度であるため気づかれにくく、適切なタイミングを逃すと重篤化するものが含まれます。出生前の専門的な超音波検査(胎児心エコー)で早期発見することが、赤ちゃんの命を守ることに直結します。

なぜ生まれる前に調べるのか

生まれる前にわかっているかどうかで結果が大きく変わります

事前にわかっていた場合

出産の際に心臓カテーテル手術がすぐにできるよう万全の体制を取ることができます。最適な専門病院で計画的にお産に臨めます。

気づかれずにお産となった場合

出生直後に急変して命が危なくなることがあります。多くは救急車で専門病院に搬送することになり、救命処置が遅れてしまいます。

特に注意が必要な心臓病:心臓のご病気の中には出生直後に急変して命が危なくなるものがあり、たとえ微細な異常でも救命のため緊急の心臓カテーテル手術が必要になる場合があります。事前に発見されているかどうかが、赤ちゃんの命に直結します。

胎児心エコー認証医が担当します

当院の心臓ドック担当医の資格

日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医

胎児心エコー認証医は、胎児の心臓超音波検査において高度な専門知識と技術を持つことを日本胎児心臓病学会が認定した医師です。赤ちゃんの心臓を専門的に評価するための厳格な基準をクリアした、信頼性の高い資格です。

受診タイミングについて

⚠️ 里帰り出産・オープンシステムをご利用の方へ

妊娠35週頃に分娩施設に転院される方は、この時期になると骨がしっかりしてきてエコーが通らなくなり、心臓があまり見えなくなります。心臓がよく見える30週頃までに心臓のチェックを受けることを強くお勧めします。転院前に必ず心臓ドックをお受けください。

受診可能時期:妊娠25週〜30週。とくに心臓がよく見える28週頃までの受診を強くお勧めします。妊娠後期(30週以降)に入ると赤ちゃんの骨がしっかりして超音波が通りにくくなり、体位によっては検査が長くかかったり、十分な評価が難しくなることがあります。受診時期が遅れるほど精度は下がるため、心臓だけを遅い時期に確認すればよい検査ではない点にご留意ください。

里帰り出産を予定している方へ:地元での分娩を予定しており、妊娠後期(34〜36週頃)に地元に帰る予定の方は、帰省前・できれば妊娠28週頃までに胎児心エコーを受けておくことを強くお勧めします。「里帰りしてから向こうで受ければいいか」と考えていると、里帰り先の施設で専門的な胎児心エコーが受けられなかったり、時期が遅すぎて正確な検査が難しかったりするケースがあります。

妊娠が進み、35週頃になると赤ちゃんの骨が硬くなり、超音波(エコー)の音波が通りにくくなります。赤ちゃんが骨盤に入り込む(下降する)こともあり、心臓の詳細な観察が非常に難しくなります。胎児心エコーの検査精度が最も高いのは妊娠18〜30週頃までです。

オープンシステムをご利用の方へ:総合病院での分娩を予定されていても、妊婦健診はかかりつけ医で受けている方の場合、分娩病院での胎児エコーが詳細でないことがあります。分娩病院への転院が35週以降になる場合は、それより前に当院での胎児心エコーを受けておかれることをお勧めします。

段階的な検査の流れにおける位置づけ

推奨される検査の流れ

妊娠10週〜 NIPT
妊娠12〜13週 初期ドック
妊娠14〜17週 早期ドック
妊娠18〜22週 中期ドック
妊娠25〜30週 心臓ドック

中期ドックで心臓を確認していても、専門的な心臓ドックでより詳細な評価が可能です

SPECIAL FEATURE

妊娠初期からの
胎児心臓スクリーニングに対応

心臓ドックは妊娠25〜30週が標準的なタイミングですが、当クリニックでは初期ドック(妊娠12〜13週)の際にもSlowflowHDを用いた心臓評価を実施しています。

SlowflowHDは低流速の血流を高感度で検出する最新のドプラ技術です。Voluson Expert 22との組み合わせにより、妊娠初期という早い段階から大血管の構造や走行を評価でき、円錐動脈幹異常(ファロー四徴症・大血管転位症など)を早期に疑う手がかりとなります。

当クリニックでの1,080例のデータをもとに、この技術の有用性を国際学術誌に発表しました。妊娠初期から中期・後期にかけて段階的に心臓を評価することで、より包括的なサポートが可能です。

EVIDENCE / 査読付き国際論文

Fukuda H, et al. "First-Trimester Detection of Conotruncal Anomalies Using Transabdominal SlowflowHD." J Ultrasound Med. 2026;45(1):201-207.
DOI: 10.1002/jum.70037 / PubMed: PMID 40827753

よくあるご質問

Q なぜ心臓だけ別に調べる必要があるのですか?
A

心臓は赤ちゃんのご病気が最も多い臓器で、構造も複雑です。お腹の中の赤ちゃんの心臓はサイズも小さく、細かいところまで確認するには専門的な技術と十分な検査時間が必要です。中期ドックでも心臓を確認しますが、より精密な評価のために専門的な心臓ドックを設けています。

Q 中期ドックで心臓を見てもらいましたが、心臓ドックも必要ですか?
A

中期ドックでも心臓の基本的な評価は行いますが、心臓ドックでは胎児心エコー認証医が専門的・集中的に評価します。より細かい異常の発見や、より詳細な評価が可能です。特に心臓病のリスクがある方や、より確実な安心を求める方にはお勧めします。

Q 出産は別の病院ですが、転院前に受けられますか?
A

はい、転院前のご受診をお勧めします。妊娠35週頃に分娩施設に転院される場合、それ以降は骨が発達してエコーが通りにくくなります。心臓がよく見える妊娠30週頃までにご受診ください。

Q 妊婦健診で「心臓は問題なし」と言われました。胎児心エコーは必要ですか?
A

妊婦健診での心臓確認は限られた時間内での簡易的な確認にとどまります。専門的な胎児心エコーでは、4つの心腔・大血管の位置・心臓弁の動き・心拍のリズムなどを詳細に評価します。全員に受けていただくことをお勧めしていますが、特に初期ドックや中期ドックで心臓に関する所見があった方は必ずご受診ください。

Q 何週に受けるのがベストですか?
A

妊娠25〜28週頃が最も精度の高い時期です。妊娠後期(30週以降)になると骨が発達して超音波が通りにくくなり、赤ちゃんの体位によっては十分な評価が難しくなります。できるだけ28週頃までの受診をお勧めします(里帰り出産の方は帰省前に必ず)。

Q 家族に先天性心疾患の方がいます。リスクは高いですか?
A

先天性心疾患の一部は家族性・遺伝性のリスクが知られています。ご家族に先天性心疾患の方がいる場合は、特に専門的な胎児心エコーをお勧めします。

最終更新日:2026年6月21日

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