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ひろつぐ出生前診断クリニック

FOR THE BABY

赤ちゃんのために ― 当院がすべての妊婦さんに中期ドックをお受けいただく理由

出生前診断の基礎

当院は、赤ちゃんの命を守ることをいちばん大切に考えています。そのため、染色体を調べる検査を希望されるかどうかにかかわらず、当院で妊婦健診を受けていただくすべての妊婦さんに、妊娠中期の精密超音波検査(中期ドック)をお受けいただいています。

なぜそこまでするのか。まず、私自身の経験からお話しさせてください。

私がこの検査にこだわる理由

私は以前、日本有数の大規模な新生児集中治療室(NICU)に勤務していました。そこには、生まれた直後にうまく呼吸ができず、各地から救急搬送されてくる赤ちゃんが数多くいました。

つらかったのは、運ばれてきた時点では、なぜその子が苦しんでいるのか、原因すら分からないことがほとんどだったことです。原因を突き止めようと検査を進めている間にも、赤ちゃんの状態はどんどん悪くなっていきます。酸素をうまく取り込めず、人工呼吸器につなぎ、それでも足りずにECMO(エクモ。心臓と肺の働きを一時的に代わりに担う装置)で懸命に時間を稼ぐ。そうしてようやく、総肺静脈灌流異常という心臓の血管の異常だと分かり、ECMOにつないだまま、手術のできる施設へ運び直したこともありました。

横隔膜ヘルニアや、重い先天性の心臓病も、同じでした。これらの多くは、生まれる前に分かっていれば、はじめから治療のできる施設で、万全の体制のもとに生まれてこられた赤ちゃんたちです。原因が分からないまま時間を失うことが、どれほど赤ちゃんの命を危うくするか。私はそれを、何度も目の当たりにしてきました。

この経験から、私のなかに一つの信念が生まれました。赤ちゃんのための出生前診断は、絶対に必要だということです。

「赤ちゃんを見なくてよい」という、日本の妊婦健診のしくみ

ところが日本の妊婦健診には、少し不思議なところがあります。超音波検査は「一般超音波検査」と「胎児精密超音波検査」の二つに分けられていて、通常の妊婦健診で行われるのは前者です。

一般超音波検査は、赤ちゃんの発育や心拍、羊水の量、胎盤の位置などを確認するための検査で、赤ちゃんの病気を見つけることを主な目的とはしていません。つまりしくみの上では、妊婦健診で赤ちゃんの体の異常まで探さなくてよい、ということになっているのです。

これは、多くの妊婦さんを限られた体制で診るための一つの割り切りでもあります。ただ、NICUでの経験を持つ私には、どうしてもそのままでは受け入れられませんでした。だからこそ当院では、赤ちゃんの体を系統的に確認する中期ドックを、すべての妊婦さんにお受けいただいています。

妊婦健診の超音波と、中期ドックの違い

中期ドックは、赤ちゃんの体の構造そのものを、頭からつま先まで系統的に確認していく検査です。国際産婦人科超音波学会(ISUOG)のガイドラインに沿って、脳・顔・心臓・お腹の臓器・背骨・手足などを、決められた断面から一つひとつ評価します。かける時間も、確認する項目も、通常の健診の超音波とは大きく異なります。

なかでも心臓は、赤ちゃんの先天的な病気のなかで最も頻度が高い部位です。当院では胎児心エコーの経験を活かし、心臓を含めた全身を丁寧に評価しています。

染色体を調べる検査とは、目的が違います

ここで、はっきりと分けてお伝えしたいことがあります。中期ドックと、NIPTなどの染色体を調べる検査は、目的がまったく違うということです。

染色体を調べる検査を受けるかどうか、そしてその結果をどう受け止めるかは、あなたとご家族の価値観にかかわる選択です。その判断は尊重されるべきもので、当院から無理にお勧めすることはありません。

一方で中期ドックは、「産むか産まないか」を問うための検査ではありません。生まれてくる赤ちゃんが、少しでも安全に、少しでも良い状態で生まれてこられるように備えるための検査です。だからこそ、ご希望の有無にかかわらず、すべての赤ちゃんに受けてほしいと考えています。

当院の姿勢

赤ちゃんは、自分から「ここが苦しい」と伝えることができません。だからこそ、生まれる前に、私たちが代わりにその体をていねいに見てあげたいと考えています。せめて当院を選んでくださった妊婦さんには、赤ちゃんを安全な場所で産んでいただけるようにしたい。それが、当院の変わらない願いです。

当院では、妊婦健診を受けてくださる妊婦さんには、全員に中期ドックをお受けいただいています。なお現在は、ご予約が大変混み合っているため、当院で妊婦健診を受けられる妊婦さんを優先しております。中期ドックのみのご予約の受付については、トップページのご案内をご確認ください。

検査の前後には医師が結果をわかりやすくご説明し、必要に応じて次のステップまでサポートします。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。

本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。

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最終更新日:2026年7月7日

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