出生前診断の流れのなかで「確定検査」という言葉が出てきます。NIPTや超音波で「気になる所見」があったとき、または確かな情報を得たいときに選択肢となるのが羊水検査と絨毛検査です。
確定検査とは何か
NIPTや超音波による検査は「非確定的検査」です。リスクの高さは評価できますが、赤ちゃんの染色体を直接調べるわけではありません。
一方、羊水検査・絨毛検査は、赤ちゃん由来の細胞を採取して染色体を直接解析する「確定的検査(確定診断)」です。染色体の数の異常(トリソミーなど)を確定的に診断できます。
羊水検査(羊水穿刺)
- 採取するもの:お腹に細い針を刺して羊水中の赤ちゃんの細胞を採取
- 実施時期:妊娠15〜16週以降
- 結果までの時間:2〜3週間(FISH法ならより早く一部判明)
- 流産リスク:約0.1〜0.5%(施設や技術によって異なる)
羊水検査はやや遅い時期になりますが、実施できる施設が多く一般的な確定検査です。
絨毛検査(CVS)
- 採取するもの:胎盤の一部(絨毛)を採取
- 実施時期:妊娠11〜14週ごろ
- 結果までの時間:1〜2週間
- 流産リスク:約0.5〜1%程度(やや羊水検査より高い)
絨毛検査はより早い時期に確定診断できるのが最大のメリットです。ただし技術的なむずかしさがあり、実施できる施設が限られます。
どちらを選べばよいか
| 比較項目 | 羊水検査(羊水穿刺) | 絨毛検査(CVS) |
|---|---|---|
| 採取するもの | 羊水中の赤ちゃんの細胞 | 胎盤の一部(絨毛) |
| 実施時期 | 妊娠15〜16週以降 | 妊娠11〜14週ごろ |
| 結果までの時間 | 2〜3週間(FISHで一部は早く判明) | 1〜2週間 |
| 流産リスク | 約0.1〜0.5%(比較的低い) | 約0.5〜1%(やや高め) |
| わかること | 染色体の数・構造の異常(確定診断) | 染色体の数・構造の異常(確定診断) |
| 実施施設 | 多い(一般的) | 限られる |
| 向いている方 | リスクをできるだけ低く抑えたい方 | なるべく早く確定したい方 |
表のとおり、「なるべく早く確定したい」なら絨毛検査、「リスクをできるだけ低く抑えたい」なら羊水検査、という選択が多いです。どちらが正解ということはなく、妊娠週数や状況、ご自身のお気持ちによります。
確定検査を受けるかどうかも、選択です
NIPTが陽性でも、確定検査を受けるかどうかはご自身の判断です。検査を受けることで確かな情報が得られる一方で、結果を得てからどう向き合うかも含めて考える必要があります。
当院の遺伝カウンセリングでは、確定検査の必要性や選び方について一緒に考えています。
まとめ
- 羊水検査・絨毛検査は染色体を直接調べる確定的検査です。
- 絨毛検査は早期に受けられる、羊水検査はリスクがやや低いというそれぞれの特徴があります。
- どちらを選ぶかは週数・状況・ご自身の気持ちによります。迷ったら遺伝カウンセリングでご相談ください。
本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。
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