初期ドックで「鼻骨(びこつ)が見えにくいですね」と言われると、不安に感じる方が多いと思います。ここでは、それがどういう意味なのかを、できるだけわかりやすくご説明します。
鼻骨とは
鼻骨は、赤ちゃんの鼻の骨のことです。妊娠11〜14週頃の超音波検査では、赤ちゃんを横から見たときに、小さな白い線として鼻骨を確認することができます。
「鼻骨が見えにくい」とは
超音波検査で鼻骨を確認しようとしたときに、以下のような状態を指します。
- 鼻骨がまったく見えない(欠損)
- 鼻骨が小さい、または薄い(低形成)
- 周りの骨に比べて白く映らない
これらをまとめて「鼻骨が見えにくい」または「鼻骨異常」と呼びます。
どのくらいの頻度で見られるか
正常な赤ちゃんでも、約0.5〜1%で鼻骨が見えにくいことがあります。つまり、100〜200人に1人程度です。
一方、ダウン症候群(21トリソミー)の赤ちゃんでは、約60〜70%で鼻骨が見えにくいという特徴があります。
鼻骨が見えにくいと示すこと
鼻骨が見えにくい場合、以下のリスクが少し高くなる可能性があります。
- 染色体の異常(特にダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーなど)
- その他の遺伝子の変化(微小欠失・重複症候群など)
- 他の体の構造的な異常
ただし、他の所見が正常なら、多くは染色体も正常です
鼻骨が見えにくいという所見だけがあり、他の検査結果が正常であれば、約95%の赤ちゃんは染色体も正常です。鼻骨が見えにくいからといって、必ず問題があるわけではありません。
大切なのは「総合的に判断する」こと
鼻骨の所見だけでなく、他の検査結果も合わせて総合的に判断することが大切です。
- 首のむくみ(NT)の厚さ
- 血液検査の結果(PAPP-A、free β-hCGなど)
- 超音波検査で見られる他の所見
- NIPT(新型出生前診断)の結果(受けている場合)
これらを組み合わせることで、より正確にリスクを評価できます。
鼻骨は、初期ドックで確認する4項目(NT・鼻骨・静脈管血流・三尖弁血流)のひとつです。1つの所見だけで判断せず、これらとお母さんの年齢を組み合わせて、ダウン症などの確率を評価します。
勧められることがある検査
鼻骨が見えにくいと言われた場合、担当医から以下の検査を勧められることがあります。
- NIPT(新型出生前診断):まだ受けていない場合、または他の検査結果によっては勧められることがあります。
- 羊水検査:より確実な診断が必要な場合に勧められることがあります。
- 妊娠18〜22週頃の詳しい超音波検査:赤ちゃんの体の構造を詳しく調べます。
- 定期的な発育チェック:妊娠後期まで赤ちゃんの成長を見守ります。
すでにNIPTを受けて結果が陰性(低リスク)だった場合は、鼻骨が見えにくくても、それ以上の染色体検査は通常必要ありません。ただし、妊娠20週頃の詳しい超音波検査は受けることをお勧めします。
まとめ:覚えておいてほしいこと
- 鼻骨が見えにくいという所見は、あくまで「注意深く見ていく必要がある」というサインです。
- 他の検査結果が正常であれば、多くの場合、赤ちゃんは元気に生まれてきます。
- 担当医とよく相談して、必要な検査を受けることが大切です。
- 不安なことがあれば、遠慮なく担当医に質問してください。
この検査結果について、わからないことや心配なことがあれば、いつでも担当医や助産師にお尋ねください。一緒に最善の方法を考えていきましょう。
参考文献
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本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。
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