妊娠20週前後に行う超音波検査は、赤ちゃんの体の各部位を系統的に調べる「形態スクリーニング」(または「中期胎児ドック」)です。初期の超音波とは見るポイントが大きく異なります。
なぜ20週前後なのか
妊娠20週ごろになると、赤ちゃんの体の各器官がある程度育ち、超音波で詳しく観察できる大きさになります。心臓・脳・腎臓・消化管・骨格など、主要な臓器を順番に確認できる最初の時期がこのころです。
早すぎると小さくて見えにくく、遅すぎると今度は赤ちゃんが大きくなりすぎて全体像が見えにくくなります。そのため20〜22週ごろが適切な時期とされています。
何を調べるのか
主に以下の項目を系統的に評価します。
頭・脳
- 脳室の大きさ(脳室拡大がないか)
- 小脳・脳幹の形態
- 顔面(口唇・鼻・眼球)
心臓
- 4つの部屋(四腔断面)の形態
- 大血管の接続(大動脈・肺動脈)
腹部・消化管
- 胃・腸の見え方
- 臍帯の腹壁への付き方
腎臓・泌尿器
- 腎臓の有無・大きさ・腎盂の拡張
骨格
- 四肢の骨の長さと形
- 脊椎
何がわかって、何がわからないか
形態スクリーニングでは、上記のような構造的な異常(奇形)を発見することが目的です。染色体異常もしばしば形態的な特徴として現れるため、ある程度の手がかりになります。
ただし、すべての異常を検出できるわけではありません。小さな心臓の構造異常や、晩期に現れる変化などは見えにくい場合があります。また、超音波はあくまで画像診断であり、「所見がない=すべて正常」とは言えません。
当院の中期ドックについて
当院の中期ドックでは、専門資格をもつ医師が時間をかけて系統的に評価します。単に「問題ありませんでした」と伝えるだけでなく、見た部位・評価の内容をレポートとして残し、ていねいに説明します。
初期の初期ドックや早期ドックと組み合わせることで、妊娠の経過を通じた包括的なスクリーニングが可能です。
まとめ
- 妊娠20週前後の形態スクリーニングは、赤ちゃんの体の各器官を系統的に調べる超音波検査です。
- 心臓・脳・腎臓・骨格など主要な臓器の構造異常を確認します。
- すべての異常を検出できるわけではありませんが、重要な情報が得られる検査です。
本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。