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ひろつぐ出生前診断クリニック

TIMING & OPTIONS

出生前検査と『受ける時期』 — 早めに考えることで広がる時間と選択肢

出生前診断の基礎

妊娠中には、赤ちゃんの健康状態を確認するためのさまざまな検査があります。これらの検査を受けるかどうかは、ご自身とご家族の価値観に基づいて決めていただくものです。ここでは、検査を受ける場合の「時期」について、日本の医療制度の特徴を踏まえてご説明します。

なぜ「早めの時期」が大切なのか

日本では、母体保護法により妊娠22週0日が一つの法的な区切りとなっています。もし妊娠中期(妊娠20週前後)の超音波検査で赤ちゃんに何らかの異常が見つかった場合、その後に詳しい検査(染色体検査など)を行い、結果を待ち、ご家族で話し合い、専門家と相談する時間が、非常に限られてしまうことがあります。

実際には、検査結果が出るまでに1〜2週間かかることもあり、20週を過ぎてから所見が見つかると、十分に考える時間や追加の検査を行う時間がほとんどないまま、大切な判断を進めることになりかねません。また、医療機関によっては、時間的な事情から対応が難しくなる場合もあります。

早期スクリーニングという選択肢

このような時間的な制約をできるだけ避けるために、より早い時期に赤ちゃんの状態を確認する方法があります。

初期ドック(妊娠11〜13週頃)

妊娠初期に行う詳しい超音波検査です。この時期でも、赤ちゃんの主要な構造の一部を確認することができます。なお、もしこの時期を過ぎてしまった場合の選択肢は妊娠14週以降の検査の選び方で解説しています。

早期ドック(妊娠14〜17週頃)

妊娠中期よりも早い時期に行う構造スクリーニングです。

これらの早期検査には、以下のような利点があります。

  • 何か気になる所見があった場合、追加の検査(羊水検査など)を行う時間的な余裕がある
  • 検査結果を待つ時間を確保できる
  • ご家族でゆっくり話し合う時間がある
  • 専門家(遺伝カウンセラー、小児科医など)と十分に相談できる
  • 複数の選択肢について、落ち着いて考えることができる

検査の限界について

早期の検査にも限界があることを知っておくことが大切です。

  • 妊娠初期や早期には、まだ見えない異常もあります。
  • 早期検査で問題がなくても、妊娠中期の検査は引き続き必要です。
  • 検査で「異常の可能性」が指摘されても、実際には問題がない場合もあります(偽陽性)。

ご自身に合った選択を

染色体を調べる検査(NIPTなど)を受けるかどうか、どの時期に受けるかは、ご自身とご家族が決めることです。受けないという選択も、もちろん尊重されます。 一方、赤ちゃんの体を確認する超音波ドック(中期ドックなど)は、当院で妊婦健診を受ける方には全員にお受けいただく標準的な診療です。

ただし、もし「検査を受けたい」とお考えの場合は、早めの時期に受けることで、より多くの時間と選択肢を持つことができます。これは、どのような判断をされる場合でも、ご自身が納得できる形で進めていくために大切なことです。

初期ドック(11〜13週)の時期を過ぎてしまった方は、早期胎児ドック+NIPTで、体の構造と染色体の両方を初期ドックに準じた形で確認できます。

次のステップ

  • 担当の産科医に、早期スクリーニングが可能かどうか相談してみましょう。
  • 検査の内容・費用・結果の解釈について、詳しく説明を受けましょう。
  • ご家族と一緒に、ご自身の価値観や希望について話し合いましょう。
  • 必要に応じて、遺伝カウンセリングを受けることも検討しましょう。

どのような選択をされても、それはご自身とご家族にとっての最善の判断です。十分な情報と時間をもって、納得のいく選択ができるよう、医療チームがサポートいたします。

参考文献

  1. Committee on Practice Bulletins—Obstetrics. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin Summary, Number 226. Obstetrics and Gynecology. 2020.
  2. Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al. Noninvasive Prenatal Screening (NIPS) for Fetal Chromosome Abnormalities in a General-Risk Population: An Evidence-Based Clinical Guideline of the ACMG. Genetics in Medicine. 2023.
  3. Department of Veterans Affairs. Management of Pregnancy. 2023.
  4. Bardi F, Beekhuis AM, Bakker MK, Elvan-Taşpınar A, Bilardo CM. Timing of diagnosis of fetal structural abnormalities after the introduction of universal cell-free DNA in the absence of first-trimester anatomical screening. Prenatal Diagnosis. 2022.
  5. Zalel Y, Zemet R, Kivilevitch Z. The added value of detailed early anomaly scan in fetuses with increased nuchal translucency. Prenatal Diagnosis. 2017.

本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。

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最終更新日:2026年6月25日

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