出生前診断でもっとも多く話題にのぼるのが「ダウン症候群」です。正確な知識を持つことで、検査の意味をより深く理解できます。
ダウン症候群とは
ダウン症候群(Down syndrome)は、21番染色体が通常の2本より1本多い3本ある状態(21トリソミー)によって起こります。染色体は通常46本(23対)ですが、ダウン症候群では47本になります。
これは受精の際に染色体分配のエラーで起こるもので、誰のせいでもなく、生活習慣とは関係ありません。
頻度と年齢との関係
21トリソミーは出生する染色体数的異常のなかで最も多く、おおよそ700〜1,000人に1人の頻度で生まれます。
お母さんの年齢が上がるにつれて頻度が高まることが知られています(詳しくは年齢とリスクのコラムをご覧ください)。ただし、若い年齢でも生まれることはあります。
主な特徴・合併症
身体的な特徴としては、目のつり上がり、低い鼻、筋緊張の低下などがあります。知的発達にも個人差がありながらも影響が出ることがほとんどです。
合併症として重要なのが先天性心疾患で、約40〜50%に心臓の構造異常を合併します。消化管の異常(十二指腸閉鎖など)や甲状腺機能低下症を合併することもあります。
出生前診断での検出
NIPTでは21トリソミーの検出率は**約99.7%**と非常に高精度です。超音波(初期ドック)ではNT増大・鼻骨低形成・心臓所見などが手がかりになります。
ただし、NIPTや超音波は「確定診断」ではありません。陽性の場合は羊水検査などの確定検査で確認します。詳しくはダウン症候群(21トリソミー)のページもご覧ください。
「陽性=どうすべき」ではありません
出生前診断でダウン症候群の可能性が高いとわかったとき、何をどう選ぶかはご夫婦の判断です。確定診断を求めて羊水検査に進む方も、検査結果を受け入れてそのまま妊娠を続ける方も、どちらも正当な選択です。
遺伝カウンセリングでは、情報を整理したうえで、ご夫婦のお気持ちを一緒に考えていきます。
まとめ
- ダウン症候群は21番染色体が1本多い状態で、約700〜1,000人に1人の頻度です。
- 先天性心疾患を約半数に合併するため、出生前からの評価が重要です。
- NIPTで高精度にスクリーニングでき、陽性の場合は確定検査で確認します。
本コラムは、出生前診断について理解を深めていただくための一般的な情報提供を目的としています。検査の適応や結果の解釈は、妊娠週数やお一人ひとりの状況によって異なります。具体的なご相談は、外来で医師・専門スタッフへお気軽にお声がけください。